Xalan のインストール

いろいろなドキュメントがXMLで表現されるようになりました。 これにともない、 XML文書の処理手順をXSLで表現したり流通させたりする機会が増えています。 XSLTを動かす環境を整えておくと便利です。

Windows上にXalan(ざらん)をインストールしてみましょう。 MS−DOSプロンプトで動きますので、 いわゆるWindowsのインストール作業は不要です。

XML用語事典 it_link    

1)Java

XalanはJavaで作られているので、Javaの実行環境が必要です。 Javaがインストールされている場合は、 環境変数 JAVA_HOME にJavaの所在地が設定されていることを確認しましょう。

2)Xalan本体

APACHE XML Download の ミラーサイトから xalan-j-current-bin.tar.gz をダウンロードし、 解凍すると(@longLinkの上書きをしながら)次のファイルが現れます。

   xalan-1.gif

このフォールダ全体をしかるべきところ、たとえば

C:\
C:\Program Files
に移動させ、この bin フォールダへのパスを環境変数 CLASSPASS に追加します。

3)XMLパーザ

XML文書を解析し読み込む部分(XMLパーザ)を別に用意することになっています。 XTを使っているケースも多いようですが、 ここでは、Xerces(ざーしす、ざーしーず)を使うことにします。 Apache プロジェクトのダウンロードサイト Xerces-J Binary Downloads または、 ミラーサイト から、 Xerces-J-bin.2.6.2.tar.gz をダウンロードし解凍すると 下記のファイルが現われます。

image/xerces1.gif

この5つの jarファイルを、javaをインストールした ファイル(環境変数 JAVA_HOME に設定したフォールダ名) の jre\lib\ext にコピーします。 たとえば、C:\j2sdk1.4.2_04 にインストールした場合には次のようになります。

image/xerces2.gif

4)動作確認とバッチファイルの作成

ここで、Xalan の動作確認をしましょう。 DOSプロンプトを呼び出して、
java org.apache.xalan.xslt.Process
と入力し、Enterキーを押してください。大文字と小文字は区別されます。 下記のようにオプションの使い方が表示されればOKです。

xalan-2.gif

java.lang.NoClassDefFoundError などの例外が発生した場合は、 jarファイルがないか、環境変数 CLASSPASS の設定を再確認してください。 Xalan を動かすにはいつもこれだけ入力するのことになりますので、 下記のようなバッチファイルを作成し、 xalan.bat という名前でパスのとおったフォールダに入れておきましょう。

java org.apache.xalan.xslt.Process -IN %1 -XSL %2 -OUT %3
次のような入力でXalanの実行ができるようになります。
xalan xxx.xml ttt.xsl yyy.zzz
ここで、xxx.xml は、変換対象のXMLファイル、 ttt.xsl は、変換処理を記述した xslファイル、 yyy.zzz は、変換後のファイルの名前をそれぞれ指定します。

以上でインストールは終わりです。
バッチファイルの動作確認のためにもう少しやってみましょう。

5)XMLからHTMLへの変換

木構造から表を作成します。

変換前のXMLファイル     :memo.xml
変換方法を記述したxslファイル:p.xsl

上記のURLを左クリックするとブラウザで閲覧できます。 右クリックをしてダウンロードしてください。次のように実行してみると

xalan memo.xml p.xsl memo.html
ファイル memo.html (と同じもの)が生成されます。

生成されたファイルを、テキスト・エディタで開いて生成された文字列を確かめたり、 ブラウザで開いて表示してみてください。入力ファイルの文字コードにかかわらず、 出力は UTF-8 になります。 q.xsl の9行目の UTF-8 を Shift_JIS に変更するとシフトJISで出力されます。

変更前のXMLファイルや、XSLファイルもテキストエディタで編集したり、 ブラウザで表示したりすることができます。変換前のファイルの文字コードは UTF-8 です。

6)XMLからHTMLへの変換(その2)

木構造が3次元の表になるケースです。

変換前のXMLファイル     :memo2.xml
変換方法を記述したxslファイル:q.xsl

生成されたファイル:memo2.html
文字コードはシフトJISです。 memo2.html はダウンロードするのではなく、自分で生成してみましょう。

【参考文献】
このページを作成するにあたり参考にしたサイトを掲げます。ありがとうございました。

(1)The APACHE XML PROJECT

The APACHE XML Project の ホームページ(英語)。

(2)XSL Transformations(XSLT) バージョン 1.0

XSLの仕様書。 W3C 勧告1999年11月16日 の日本語訳。

(3)XML、XSL

XSLスタイルシート書き方講座があります。
リンク切れ(2008/11/26)

(4)XercesとXalanの読み方

読み方の人気投票、他。
リンク切れ(2008/11/26)

(5)XSLT Processors -- Xalan

インストール手順の例。
アクセス不可(2012/07/15)

(6)Xerces と Xalan を Windows へインストール

インストール手順の例。
リンク切れ(2008/11/26)

(7)Xalan-Java

インストール手順のほか、上位のページにはXML文書、DOM、JAXP、SAX、SLTなど 一般的な解説があります。

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作成日:2005-02-20