拡大変換

【基本データ型の拡大変換 widening primitive conversion】

• byte から short、 int、 long、 float、 double への変換
• short から int、 long、 float、 double への変換
• char から int、 long、 float、 double への変換
• int から long、 float、 double への変換
• long から float、 double への変換
• float から double への変換

【参照型の拡大変換 widening reference conversion】

• 子クラスから親クラスへの変換
• あるインターフェースを実装するクラスからそのインターフェースへの変換
• null から 任意のクラス、インターフェース、配列 への変換
• サブインターフェースから親インターフェースへの変換
• インターフェースから Object 型 への変換
• 配列から Object 型への変換

【拡大変換の起きる場所】

• 代入文
  int 型の定数式を byte、 short、 char に代入する場合、 桁あふれがおきなければ縮小変換（下位の型への変換）も発生します。 つまり、この場合キャストしなくてもコンパイル・エラーになりません。
• メソッドの参照とコンストラクタの参照における引数の受け渡し
  拡大変換をして、シグニチャが一致するメソッドが複数ある場合、 拡大変換の度合いの小さいメソッドが呼び出されます。
• 文字列の連結時
  + 演算子の一方が文字列であった場合、 他方が自動的に文字列に変換されます。

【例１】

long から double への拡大変換で有効数字が減少する例

プログラム WideningDemo1.java

実行結果

【例２】

呼び出すメソッドを決定する際におこる拡大変換の例

プログラム WideningDemo2.java

実行結果

８行目は (double,int) 、 ９行目は (long,int) をパラメータとするメソッド m を探しますが、 見つからないため、拡大変換をしてマッチする m(double, double) を選択します。

【例３】

縮小変換の例

プログラム WideningDemo3.java

実行結果

定数の代入の場合、桁あふれがおきなければ縮小変換がされますが（４行目）、 パラメータの受渡しではエラーになります（５行目）。